2020年

2020/06/05
急に蒸し暑くなりました。
暑くなってくると作業場所に使っている部屋を中心に革の匂いが籠りやすくなります。
別に嫌な臭いではないのですが体に染みつくようで、いつも以上に換気に気を使います。

オイルレザーを中心に制作しているのですが、長く在庫してしまった革首やお腹周りの繊維の緩い部位を中心に部分的に色が濃くなってしまうことがあって、同じ個体の革であっても別色のような雰囲気になることがあります。
半年も使えば色の差が分からなくなるので気にする必要はないのですが扱いにくいと言えば扱いにくく、それならば色の差が付く前に使い切れるかと言うとそれも難しく、革は生ものだと改めて感じています。

 

 

2020/05/30
非常期待宣言が解除されたものの、何が変わったの? と思うようなことばかり続いています。
グーグルマップを眺めながら、全国各地へ旅した気分になるのもそろそろ限界。
何の気兼ねも無く自由に出かけられる日が戻るのを願うばかりです。

そんな状況の中で行われた「手創り市ONLINE」も一先ず終わりました。
オンラインショップの再構築を進めていたタイミングなので、動画やライブ配信などオンラインならではのものには手を出す余裕がありませんでしたが、オンライン上での足掛かりとして後に残せるものを形にできただけでも成果としたいと思っています。
インターネットが当たり前になり始めた頃の手間を思い出せば、とても簡単になったとは言え、好きな作業でない分疲労感も・・・

もう暫くの間は、気分的に負担感の強い作業の比率が高い日々が続きそうです。

 

 

2020/05/20
ブックカバーやノートカバーを作る時に頭が痛いのが、例えば同じ「文庫本」といっても出版社によって高さ方向の寸法が異なることがあるということ。
規格の上では文庫本は148mm×105mmとなっていますが、中には155mmある本もあり、規格通りに作るとものによっては使えないなんてこともあります。
ですので、規格サイズに対して幅のあるものに対しては大きいサイズに合わせて設計することが多くなります。
もちろん各サイズごとに専用で作って使い分けるのが一番ですが、現実的にそういう訳にもいきませんよね。

ところが文庫サイズ(A6サイズ)のノートの場合は、調べた範囲ではページ数以外は規格サイズの通りになっていて、文庫本と兼用でカバーを設計すると縦寸が余ってしまうことになります。
余るから何か不具合があると言う訳でもないので気にしなければ良いだけですが、気になってしまうのは作り手だからでしょうか・・・?
(文庫サイズカバーの内、在庫を持つものについては兼用サイズで制作予定です)

 

 

2020/05/13
オンラインショップ用の撮影を一通り終え、商品ページ作りと合わせてiichiで長いことやらせて貰っているお店の商品ページもリニューアル。
一遍に処理するのだから分かっていたけど大変作業・・・針仕事をしている方が気楽です。
カメラの設定を追い込み切らないまま撮影を終わらせたものだから、あとの処理も大変で、「楽をするための努力は惜しむべきではない」という基本的な事を疎かにしたしっぺ返しです。

 

(カタログ用の写真なので背景を白バックで撮りたいものの、背景に合わせると露出オーバー、白飛びを押さえつつ、コントラストを調整して・・・と深みにはまる内に後処理で済ますという逃げを打つ)

 

次の撮影はもう少し何とかしよう。

 

 

2020/05/06
先日導入した革漉き機の使いこなしが難しくて、端切れを使っての練習が続きます。
簡単な取説とメーカー、ショップの解説動画があるので何もない所から使い方をマスターすることと比べれば楽なんだとは思いますが、難しいものは難しいです。
基本的な調整は問題ありませんが、良く使う革に合った条件への調整や力加減のよう感覚的なものは実践の中でしか理解できません。
今だから出来ること、そう思いながらの試行錯誤は続きます。

  

 

2020/04/24
こんな時だからこそ、攻めの姿勢で・・・という訳でもありませんが、設備投資をいくつかしています。

 

まずは、卓上の革漉き機を導入しました。
今まで無かったのかい! という位のものですが、制作数の少なさと慣れもあって案外手作業でも何とかなるものでした。(包丁を実用レベルで研げるようになるまでは大変でしたが・・・)
腱鞘炎が酷くなって気持ちが傾いたことと、暇になってしまった今だからこそ使いこなすための時間が出来ること、この二つが決め手になりました。

 

後は商品撮影のための細々とした備品の追加。
対面販売が当分できないことを考えると、販に力を入れるしかないとなる訳ですが、苦手意識から一歩引いた感じでやって来たものを今しっかりやらないと次に繋がらない。

 

コロナ騒動が落ち着いても売り上げが戻らないと色々問題はありますが、今やれることをやっていかねば。
そう思う今日この頃です。

 

 

2020/04/10
非常事態宣言が発令された千葉ですが、身の回りに限っては普段通り仕事に行かなければならず、外出自粛はどこ吹く風。
先の見えない不安感が募る中、言ってしまえば不要不急の嗜好品でもある革小物が売れる訳もなく我慢の日々が続きます。
とは言え、売れなければ売れないで、微々たるものでも物流の負荷を減らせるのであれば気持ちだけでも役に立てている、そう思うことにしました。
制作の方は、あまり思わしくない左手の腱鞘炎の具合と相談しながら、手が鈍らないように細々と続けています。。。
 

 

2020/03/28
デザインフェスタの中止が決まり、外出自粛要請も出てしまいました。
いまのままだと4月も出店無しになりかねない感じです。
お肉券やお魚券というアリガタイお話も出ていますが、個人の作り手を支える施策など出る訳もなく、自力で生き延びるしかないと思っています。(いつも通りですが)

 

世の中が落ち着いてきたら、新しいお財布や鞄を買ってみたいと思えるだけの余裕が残っていることを願います。

 

 

2020/3/18
コロナ関連で軒並みイベントが中止になり、3月は出展ゼロという状況です。
幸いにしてと言うべきか、左手の腱鞘炎が思わしくなく、大きな荷物を持っての移動が無くなったのは助かっています。
4月のイベントも大丈夫だろうと信じつつも、先の見えない状況は続きます。

 

制作面では腱鞘炎の影響はあまり出ていませんが、意外だったのは商品撮影の時のカメラの操作や撮影にまつわる細々とした作業がやり辛いこと。
何にせよ、体が万全でないと思うようになりません。

 

 

2020/03/06
コロナ騒動の余波でイベントが続々と中止になっています。
止むを得ないものだとは思いますが、科学的な理由よりも正体の掴めない不安感から来るものが多いように感じてしまいます。
震災直後の自粛ムードと同じような・・・今回は誰もが当事者であることから逃れられない分、ひょっとしたらもっと酷くなるような、先の見えない状況です。

そんな中ですが、普段と変わらず細々と制作を続けています。
注文分はあまりありませんが、イベント向けの在庫や通販向けの在庫が少なくなっているので、睡眠時間をたっぷり確保しても、まあなんとかなる負荷。
革小物作りの他に仕事を持っているので何とかなっていますが、これ一本だと正直厳しい。
少しでも明るくなることを信じて、普段通りやるだけです。

 

2020/02/28
何度も制作する物は手順や注意点を手が覚えているので、よほどぼんやりとしていなければ間違うことはありません。
とは言え、ここに至るまでは時間がかかるもので、その間の失敗除けになる様に、注意すべき点、間違いやすい所、その他作業をスムーズに進めるためのあれこれを型紙に書き込んでいきます。
この書き込みがあるお蔭で、前回の制作から間が空いても問題なく制作することが出来ます。

が、

間違えることは無いだろうと考え何の書き込みも入れていない時に限って間違いを犯すもの。
とある品物を制作中、開けなくても良い穴を開けてしまったり、向きのある部品を逆にしていまったり・・・


集中力が不足気味な今日この頃です。

 

2020/02/22
 情報発信のメインツールをインスタグラムに移行して(更新が簡単だし)いますが、投稿したものに対して問い合わせが来るのはブログ経由であることが多い印象。
 それも何年も前に投稿した記事に対して。

 瞬間的な情報発信はSNSの方が有利、長期的な蓄積はブログが優位である。
 そんな印象を持ち始めています。(無知を晒しているだけで、当たり前の事実なのかも知れないけど・・・)

 

2020/02/13
 素材として革の難しいところは、同じ個体の革から切り出したとしても身体のどの部位の革であるかによって強さなど性質がガラッと変わるところにあります。
 出来るだけロスの無いように使ったとしても、全体の何割かは製品に向かない強度の足りない革になってしまいます。
 他にも端の方になるほど身体のラインを反映した曲線になるから、四角い部品を切ろうとすると必ず、使い道に悩む端切れが出てしまう。

 強度的に問題のない端切れは小物の素材にしたり、強度の足りない部位の革は裏打ちをした上で、あまり強さを求めなくてよいものに利用したり(手間は余計にかかるけど)あれこれ工夫しながら素材の使い切りを模索する日々です。

 

 2020/02/07
 こちらではあまり経験のない氷点下の朝でした。
 比較的温暖な土地なのでこういった寒さには弱いです。
 寒さと言えば、都内で映画を見て帰ってくると、駅を降りた瞬間にはっきりと判るほど寒いことがあります。
 電車で体が温まったせいか、それとも人が少ないからか。(エアコン室外機の数や車の台数、そもそも人の数などなど)
 子どもの頃はもっと寒かった記憶しかなく、北側の部屋の結露が凍り窓が開かなくなったり、水たまりに厚い氷が張り(と言っても1cm位?)投げて遊んだり、霜柱を蹴飛ばして歩いたり、しもやけになったり、などなど。

 

 暑いのも寒いのも苦手です。

 

2020/1/31
 急ぎの作業が終わり、今週はのんびりモードで作業中です。(部品が足りなくなったというのもありますが)
 疲れが溜まっていたのでちょうど良い休憩になりますが、疲れを溜めないようにペース配分を考えていくのが一番ですよね。

 去年の3月から続く四十肩での病院通いもようやく終わりが見えてきました。
 そうは言っても完全にはならず、日々のストレッチは忘れずに続けていかないと駄目なようです。
 革小物作りの縫製中は同じ姿勢で縫い続けているので、体も硬くなって不具合も出てくるんだなと。
 痛い目に合わないと分からない事が多いです。(そして喉元過ぎれば熱さを忘れることも多い)

 

2020/1/23
 手創り市などクラフト系の催しは季節を問わず屋外開催の物が多く、部屋に籠りがちな生活の中で貴重な肌で季節を感じられる機会になっています。
 が、本当に心地よい季節は短く、特に夏と冬は我慢大会になりがち。
 冬の寒さはヒートテックの様に安価で暖かいアンダーを着れば解決と思いがちですが、体から出る汗で発熱するようなものは「じっとしている」時間の長い屋外イベントではほとんど役に立たないのが本当のところです。

 一番効果的なものは、釣りやオートバイ用品で普及しているバッテリー駆動の電熱ウェアを上下着こむことだと思うけど、揃えるとなると結構よいお値段に・・・なので、安価かつ繰り返しの使用に耐えるものとして「ハクキンカイロ」を使っています。
 使い捨てカイロと比べると面倒な所はありますが、とにかく暖かく、ゴミにならないのが魅力的。

 そうは言っても電熱ウェアも魅力的です。(冬場ほとんどバイク乗らないけど買ってしまうか?)

 

2020/01/18
 今でも出来ないことは沢山ありますが、出来ることも沢山あります。「作ることが楽しい」「作ったもので喜んでもらえる」「出来なかったことが出来た」というような気持の積み重ねと、地味な作業を繰り返し、繰り返し、続けてきたからそう思えるようになって来ました。
 どんなジャンルのものでも、何かを産み出すためには色々なものを見て、聞いて、体験してきたものが必要で、その経験が土壌となり、そこに含まれている物が栄養になって何かが産み出される。逆に言えばそこにないものは産まれてこない。
 だから、一見関係の無いものでも無意味なものなんて無い。良いことも悪いことも、たぶん。

 こんなことを頻繁に考えるようになったということは、そろそろ養分が足りなくなってきたという事なのかもしれない。

 

2020/01/16
  インスタに上げたカードサイズの三つ折り財布。
 レザークラフトを始めて確か4作目か5作目位の設計で、良くこんな作りを考えたなと自分のことながら感心してしまいます。
ある程度作り慣れ、型のようなものが身についてくると大きな失敗は無くなりましたが、どうしても作品としてより商品として考え、作業時間や価格の事を考え無難にまとめがちで、発想が窮屈になっているのかなと思うことが増えてきました。


 この頃、過去作を見直したりアレンジしたりするのは、作り始めの頃の熱? 柔軟さ? に触れてみたいという思いが出てきたから。

 自分(以前の)すごいな、負けてられないな、と尻を叩いて活を入れながら、今日もチクチク針仕事です。

 

2020/01/07
  この頃は縫い目の目立たない(あるいは縫い目のない)品物が好まれているのかなという印象があります。

 縫わない方が工数が減るから安く済むよなぁ、と、単純に考えてしまいますが、縫わずに構成するために普通に作るよりも手間と工夫をシンプルな形の中に注ぎ込まないと駄目なので、却って手間がかかるのが正直な所。
 組み上げるのに関係のない飾りステッチを省くのはデザインと言えばデザイン、省力化でコストダウンというのも間違いではなく、価格を含めた狙いの中で必要なことですが、作り手としては完成品がどこか締まらない気がして落ち着かない仕上げ方です。
 ステッチがなくなり締まりのなくなった分を革のテクスチャで補うのは、どこか負けの様な気がしてしまいます。ヌメ革やプレーンな表情の革を使っても自分の中で納得感のあるデザインを考えていく、このことが物事の根っこにあると思っています。


 鞄の持ち手の様な場合は、見た目の上品さ、高級感でみると、芯を入れて貼り合わせた革を縫い上げていくのが一番だと思っていますが、いずれは糸が擦り切れてしまうのでユーザーさん側に定期的なメンテナンスで作り手の元へ戻してもらう手間が必要。
作りやすさ、耐久性、値段、メンテの手間を色々考えると厚手の一枚革で持ち手を作るのが一番かなと思っています。(日々使う道具ですしね)

 

 纏まりが無くなりましたが、縫う/縫わない一つをとっても深い葛藤があるというお話でした。

  

2020/01/04
  明けて2020年。
 地元の氏神様にお参りした以外は特に正月らしいこともなく、普段通りの生活が続いています。
 この「変わらない」ことの大変さ、大切さのようなものにありがたみを感じられるようになって来ました。

 

 昨年から過去に制作したアイテムの整理を兼ねて図面を見直していますが、革小物作りを始めて間もないころの図面をみると凝ったことを考えていたんだなと、当時の熱量に押され気味。
 だからと言って今が冷めているという事もなく、落ち着いて考えられるようになって来たという事なんだろうなと感じています。

 今年もペースを落とし気味になりそうな見通しですが、よろしくお付き合いくださいませ。

 

 

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